新潟県内盲唖学校5校の経営困難問題と社会的基盤との関連 : 大正12年勅令までの高田校と長岡校を中心に
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概要
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本研究の目的は、大正末までに新潟県内に設置された盲唖学校5校の経営困難問題について、各校の財政を支えた社会的基盤および教育の成果と関連づけて検討することである。日本の盲唖学校はほとんどが私立だったために経営困難は各校共通の現象だったが、経営困難の深刻さは必ずしも同じではなかった。そこで、日本の初期盲学校の高田盲学校と盲唖学校が急増する時期に開設された長岡盲唖学校を中心に、新潟県内の盲唖学校5校について、経営困難の実態、寄付の状況(寄付金額・寄付者数・寄付者の属性)、卒業生数等の教育成果を関連させて検討した。その結果、経営困難に関する高田盲学校と長岡聾唖学校の違いは、地域における産業の有無による寄付者の数と範囲の違いだけではなく、寄付を喚起する経営責任者の有無と教育成果に直結するシステム化の有無にもよることが明らかとなった。
- 2012-03-30
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