樹木根系調査のための移動式小型高圧洗浄機使用の有効性

概要

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移動式小型高圧洗浄機と揚水および排水ポンプなどを組み合わせて樹木の根系を洗い出し調査する方法について,若いスギ林分の立木を対象として検討した。主要設備の総重量は約50kgで,購入費用の総額は約20万円であった。根系調査区(100×60cm)を設け,調査区土壌を第1層(深さ0〜15cm),第2層(15〜30cm),第3層(30〜40cm)に区分し,層ごとに根系を洗い出し調査を行った。洗い出し作業では,水噴射による樹皮の剥離や生きた細根の切断に注意を払い,吸水量3〜4L min^<-1>,水圧3〜5MPaの範囲でおこなった。全層を合計した使用水量は840L,所要時間は210分であった。排出土壌1Lあたりの使用水量は第1,第2,第3層でそれぞれ2.7,3.8,4.3L,所要時間は0.67,0.94,1.08分であった。根系の調査では,土壌各層について樹幹からの距離に応じて3つのブロックに区分し根系を調べた。本法は有用であり,適用範囲は広いと考えた。
東北森林科学会の論文
2009-03-31