スギ人工林の間伐と光環境(I) : 林床相対照度の変化の検討

概要

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22年生林分において, 本数率34%の機械的間伐を行った。林床相対照度の変化を調べ, 林分構成因子と結びつけ二, 三の検討を行った。1)樹冠下の幹による遮光率を推定する方法を示した。本林分における推定値は, 間伐前で15%, 間伐後で9%であった。また, 樹冠下の幹の吸光係数は0.2から0.3の範囲にあった。2)林冠のみに遮光される場合の林床相対照度RC_<floor>を算定した。間伐にともなうRC_<floor>の変化は, 樹冠間隙面積率R_<gap>のそれとよく似ており, RC_<floor>≒R_<gap>であった。3)樹冠を構成する全器官の表面積A(ha ha^<-1>)との関係でRC_<floor>をブロットしたところ, 各点は吸光係数0.1の光減衰を表わす線と0.15のそれとの間に落ち, 間伐により0.15に近づく傾向が認められた。4)RC_<floor>とAをもとにして, 樹冠を構成する全器官の平均表面相対照度R_<surface>を定義した。R_<surface>は, 間伐により約30%高くなり, Aの減少にともない指数関数的に上昇した。間伐による立木の受光状態の変化を把握するうえで, R_<surface>-A関係が役に立つと考えた。
1985-07-25