ニッケルチタンファイルReciprocの湾曲根管切削特性
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概要
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目的:Reciprocは,1本の器具で正逆回転の往復運動により根管形成することを特徴とするニッケルチタン合金製ファイルである.本研究では,Reciprocの湾曲根管切削特性の検討を目的とし,Twisted File (TF)を対照として,湾曲根管模型における形成時間と根管形態変化とを検索した.Reciprocの切削特性に及ぼすglide path (Ni-Tiファイルのための誘導路)の影響も併せて検討した.方法:エポキシレジン製透明根管模型(湾曲30度)を1群(Reciproc (R25: 25/.08)で形成),2群(RaCe (10/.04)でglide pathを形成後Reciproc (R25)で形成),3群(RaCe (10/.06)でglide pathを形成後Reciproc (R25)で形成),4群(TF (25/.08)で形成)に分け(各n=8),形成時間を測定しながら所定の形成を行った.次いで,デジタル画像解析にて根尖孔から1, 2, 3, 4, 5, 7, 9, 12mmの位置で内・外湾側での根管幅径増加量を計測し,centering ratioを算出した.一元配置分散分析およびBonferroni Dunn検定(危険率5%)で統計処理を行った.成績:根管幅径増加量は,4群が1〜3群と比較して,内湾側では1〜4mmおよび7,9mmの位置で有意に少量,また外湾側では7〜12mmの位置で有意に多量であった.Centering ratioは,1,2mmおよび7〜9mmの位置で4群が1〜3群のいずれか,もしくはすべてと比較して有意に低値であった.総形成時間は,1群が他群と比較して有意に大きい値であった.Reciprocの形成時間は,1群と比較して2,3群で有意に短縮した.結論:今回の実験条件では,Reciprocにより,TFと比較して根尖部および根管上部で変位の少ない根管形態が,glide pathの有無によらず得られた.Reciprocの形成時間は単独ではTFより長かったが,glide pathを付与した場合は有意に短縮し,総形成時間もTFと同等となった.
- 2012-12-31
著者
-
吉羽 邦彦
新潟大学大学院医歯学総合研究科 う蝕学分野
-
吉羽 邦彦
松本歯科大学 総合歯科医学研究所 口腔解剖学 第二講座
-
重谷 佳見
新潟大学大学院医歯学総合研究科 口腔健康科学講座 う蝕学分野
-
吉羽 邦彦
新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座う蝕学分野
-
興地 隆史
新潟大学大学院医歯学総合研究科 口腔健康科学講座 う蝕学分野
-
日向 剛
新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座う蝕学分野
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