発明者数の動的変化 : 企業R&Dマネジメントの新たな定量指標
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概要
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本稿は「発明者数の動的変化」を代用指標として,研究初期から事業段階までのR&D資源投入を定量記述し企業R&Dマネジメントを分析する新手法を検討する。キヤノンとセイコーエプソンのインクジェット技術の公開特許(出願年:1976-2005)を調査し,出願年毎に重複を除いた発明者数の30年間の動的変化を求めた。発明者数の構造分析によって,年間発明者数と定常的にR&Dに従事している同年の技術者数が厳密には合致しないことを確認した(「1/p」発明者効果)。一方,発明者数の動的変化と既存文献記載の2社の主要な新技術R&D活動とを対比した結果,動的変化がそれぞれの新IJ技術R&D活動と合理的に対応付けできることを見出した。次いで,ある特定期間の動的変化を線形近似し,直線の傾きをその特定期間のR&D資源投入マネジメントの定量代用指標とする手法で2社の違いを分析した結果,2社の技術原理選択の差(TIJ vs. PIJ)がR&Dマネジメントの差に影響を与えていることが示唆された。また発明者数の動的変化と5年後の製品出荷量の動的変化に高い相関があることを確認し,発明者数の動的変化がイノベーションのアウトプットの先行指標としても有効な可能性を見出した。
- 2013-01-31
著者
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