アオモリトドマツ(Abies mariesii)樹冠からの動物による球果の持ち去りについて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
種子散布過程で種子が球果の果軸から離脱するアオモリトドマツ(Abies mariesii)において,動物による球果の持ち去りの痕跡と,持ち去られた場所付近で解体された球果を観察した。動物による球果の持ち去りは,奥羽山脈・姥倉山において,1996年に同一個体で生産された10個について確認された。これまでアオモリトドマツにおいては,枝の切断による球果の持ち去りは本事例以外では確認されていないことから,枝の切断をともなった動物による球果の持ち去りが起こる頻度は低いと示唆される。しかし本事例は,種子が果軸から離脱し,散布を動物に依存していないと考えられるモミ属においても,動物によって複数の種子が運ばれる可能性があることを示している。
- 2011-11-30
著者
関連論文
- 分布北限域におけるイヌブナの生態地理
- 八幡平の地すべり地における低頻度全層雪崩の発生実態
- 秋田県佐渡スギ保護林におけるスギとブナの更新基質利用特性の違い
- 東北日本におけるオオシラビソ林の分布と雪圧環境 - GISによる予察的考察 -
- 秋田地方で記録された高齢なスギ人工林の成長経過
- 素登りによる樹冠への到達と樹冠内での動作について : 手足を主体にして登るには (林冠研究 : 林冠へのアクセス法と生態学的な意義について)
- 奥羽山地北部笊森山の雪田土壌にみられる中世温暖期の雪渓の縮小 第1報 雪田中の埋没泥炭層の分布と年代および形成環境
- アオモリトドマツ(Abies mariesii)樹冠からの動物による球果の持ち去りについて
- 白神山地における異なった構造をもつブナ林の動態モニタリング(白神山地の保全と周辺部の持続的利用に向けて I. 白神山地の森林の分布とダイナミクス)
- 岩手山西部における,トドマツアミメヒメハマキ(Zeiraphera rufimitrana truncata)によるアオモリトドマツ(Abies mariesii)針葉の被食の年次変動について