後期高齢者の自己効力感に関する研究
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概要
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本研究は,Bunduraの社会的学習理論に基づき,私たちの意欲を決定づける要因のひとつとなる「自己効力感」に焦点をあて,後期高齢者の生きる意欲に影響を与える要因について明らかにすることを目的とした.施設入所者とデイケアに通う平均年齢85.7歳の65人を対象に,半構造的面接調査を行った.調査の結果,高い自己効力感に影響を与える要因として,「現在の生活を前向きに生きる姿勢」「生きがいとなる趣味」「自分のこれまでの人生を肯定的にとらえる姿勢」「楽観的な性格」「家族および周りの人びととの良好な人間関係」「自己の能力に対する自信」などが,低い自己効力感の要因としては,「自分の人生に対する後悔の念」「身体的不調」「現在の生活に対する不満」「自己の能力を否定的にとらえる」などがあげられた.高い自己効力感を示す者は,自分らしさを表現できる趣味をもち,これまでの人生を肯定的にとらえる積極的なパーソナリティの持ち主であった.
- 日本介護福祉学会の論文
- 2006-04-01
著者
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