認知症高齢者の自発性を引き出す集団音楽療法における介入スキル
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概要
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本研究の目的は,認知症高齢者の自発性を引き出す集団音楽療法における介入スキルについて明確化することである.認知症高齢者5人に対して8回の集団音楽療法を実施し,セラピストによる介入を帰納的に分析した結果,以下のことが示された.1)セッション中にみられた認知症高齢者の自発性の変化として,「覚醒時間が増加する」「演奏の始まりがスムーズになる」「演奏中のテンポやリズムの乱れを修正していく」「演奏後に満足感を表出する」「場を創造していく」の5つが見出された.2)セラピストが用いていた介入タイプは,「音楽への同調を促す」「注意・関心をひきつける」「巻き込む」「ほめる・支持する」「場の発展・拡張を期待して仕掛ける」の5つに分類された.3)認知症高齢者の自発性を引き出す集団音楽療法における介入スキルには,セラピストが楽曲ごとに(1)演奏に向かうまで,(2)演奏の始まり,(3)演奏中,(4)演奏の終わり,(5)演奏直後の5つの時点において5つの介入タイプを使い分け,参加者が音楽に同調していこうとする自発性を助けること,参加者自身が自分の演奏に満足し自尊心や自信が回復していく体験を積み重ねることで,自ら場を創造していく力を発揮できる機会を仕掛けていくことが見いだされた.
- 2008-03-31
著者
-
井出 訓
北海道医療大学看護福祉学部
-
山田 律子
北海道医療大学
-
萩野 悦子
北海道医療大学 看護福祉学部看護学科
-
山田 律子
北海道医療大学 看護福祉学部老年看護学部門
-
常田 いづみ
札幌国際大学
-
井出 訓
北海道医療大学看護福祉学部看護学科
-
井出 訓
北海道医療大学
-
山田 律子
北海道医療大学看護福祉学部看護学科
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