脳卒中高齢患者の回復期訓練導入期における病いの意味 : ナラティブ・アプローチの視点から
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概要
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本研究の目的は,回復期訓練導入期にある脳卒中高齢患者の病いの意味を,ナラティブ・アプローチの視点から明らかにし,看護的示唆を得ることである.そのため対象者である80歳代の女性2名に対して,参加観察を行い,得られた素材から病いの意味に関するデータを抽出し質的に内容を分析した.この結果,脳卒中高齢患者が,発病により障がいを負うと言うことは,生活を立て直すための心の準備がしにくい絶望的な状態となるため,現状況にあったナラティブの書き直しを早期に行う必要があることが推測された.そして書き直しが行えず,病いの意味を見出すことができなければ,さまざまな出来事に対して肯定的に取り組めない傾向にあることがわかった.よって,看護師は回復期訓練導入期に,ナラティブの書き直しが必要となることを知った上で,脳卒中高齢患者が独白のナラティブの書き直しを行い,病いの意味を見出せるように,援助していく必要がある.
- 北海道医療大学看護福祉学部学会の論文
- 2005-03-31
著者
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