Leapfrog法と遅延PEEC法に基づく時間領域電磁界シミュレーション(EMC,一般)

概要

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本稿では,遅延PEEC(partial element equivalent circuit)法とLeapfrog法に基づいた,時間領域の電磁界シミュレーション手法を提案する.電磁波の伝播遅延を含まない準静的PEEC法では,通常,抽出された等価回路網に含まれる結合素子によって相互作用が即座に影響するため,回路方程式の係数行列は密行列となる.一方,相互結合の影響が遅延を持って伝播すると考える遅延PEEC法では,係数行列がスパース性を持つことが知られている.また,多くの場合,PEEC法によって抽出された等価回路網は,修正節点解析法と直接的な行列演算に基づく手法によって解析される.提案手法では従来の直接法を用いず,遅延PEEC法によって得られる回路網へLeapfrog法を適用する.Leapfrog法は偏微分方程式を数値的に解くための陽的な差分法の一つであり,直接的な行列演算を行わないため,計算コストが非常に低いという利点がある.非対称な配線網を用いた例題検証により,Leapfrog法によって,遅延PEEC法に基づく電磁界シミュレーションを効率的に行えることが確認できた.
2012-05-24