特別養護老人ホームにおける介護職員への研修の取り組み : A施設とB施設の事例から
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概要
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本稿では,介護職員に対して研修を展開する際の示唆を得るために,特別養護老人ホームにおける介護職員への研修として好事例と思われる取り組みを報告した.対象は,F県A施設とN県B施設の2施設とし,それぞれ研修を統括する施設長に半構造化面接を行った.A施設の内部勉強会やヘルパー養成の講師は,介護職員自らが学んだことを看護師や中学1年生に教える研修であった.説明力・資料作成力等の向上に加え,介護職員のやる気も高めていた.B施設の危険予知訓練(KYT)は,事例を活用して自施設の危険筒所に気づく感受性を高め,事故が減少していた.緊急・急変時に備えた研修は,夜勤に抱く不安の解消等,介護職員の自信にも繋がっていた.他施設等への示唆として,(1)介護職員の希望や不安に対応した研修内容を検討し,それを組織的に導入する必要性,(2)自らの学びを発揮する機会や自施設を意識する場面の設定等,介護職員が積極的に参加するかたちの研修方法を検討する必要性,があげられた.
- 2010-04-01
著者
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