ユニットケアの意味・あり方への考察 : 福祉関係の辞典等を手がかりとして
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概要
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介護老人福祉施設や介護老人保健施設等において実践され始めているユニットケアの意味を考察するなかでユニットケアのあり方を考察・検討する目的で本研究は行われた。具体的には、福祉関係の辞典を手がかりとしながらユニットケアについて、その(A)定義、(B)機能または利点、(C)問題点・課題という3つのカテゴリー別に分類・整理するとともに、ユニットケアに関する研究等もレビューした。そしてそれらを参考にしつつ、ユニットケアの意味について考察した。また、ユニットケアの政策面を含めた動向にもふれ、ユニットケアの政策面に関しての批判的考察も行った。以上を踏まえ、ユニットケアは、「生活をともにするケア」×「家庭的ななかの家族的なケア」の方向性が望ましく、そのようなケアの提供により利用者の施設生活への移行にともなう「落差」からの苦しみが軽減され、利用者の「その人らしい尊厳ある生活」を支えられること、ユニットケアのあり方としては「目的にむけてのユニットケア」が求められること等について課題を示した。ユニットケアの本来的な意味・あり方を考察することは、ケアの内容や施設のあり方だけにとどまらず、今後の保健・医療・福祉の世界における課題を検討するうえでも重要な手がかりを与えてくれるものと思われる。
著者
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