痴呆性高齢者への治療的レクリエーションの試み : 知的機能の変化を指標にした効果の検討

概要

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施設入居の痴呆性高齢者に,認知リハビリテーションの要素を取り入れた治療的レクリエーション活動を実施して,効果を検討した。治療的レクリエーションには,(1)回想型(残存記憶を利用した記憶と感情の活性化),(2)模倣型(動作模倣課題による身体の活性化),(3)思考型(思考的課題による知的活性化)の3種類を治療的レクリエーション・パッケージとして実施した。効果を判定する指標には,(1)長谷川式痴呆スケール,(2)ミニ・メンタルテスト,(3)色彩マトリックス検査の3種の知的機能検査課題を用いた。治療的レクリエーションは週1回1時間で6ヵ月間実施した。実施前後に,知的機能検査課題を施行した。実施の結果,知的機能検査課題の得点か改善した例,変化のない例,および低下した例がみられた。改善例と低下例との比較から,低下例では脳卒中既往歴を持つ者が多かった。以上から,今回の治療的レクリエーションは,主に廃用性に起因した知的機能の低下に対して改善効果をもたらしたと考えられた。
日本健康医学会の論文
2003-07-25