口腔癌切除後に有茎筋皮弁を用いた再建例の検討

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口腔は摂食、嚥下、会話など人間の重要なQOLを担っている。比較的大きな口腔癌の切除にあたっては、術後の機能温存、形態回復のため再建術が必要である。, 近年、大きな欠損に対する再建術として、遠隔部から皮弁を採取して血管吻合により再建する遊離皮弁が広く用いられ、その採取部位の多様化や合併症の減少など著しく進歩してきている。しかし従来行われている有茎筋皮弁と比較してどちらも利点欠点があり、最近でも有茎筋皮弁の有用性が報告されている。, 今回われわれは有茎筋皮弁の適応と有用性を確認するため、当科で施行した有茎筋皮弁症例を検討したので報告する。, 対象症例は口腔癌切除を行った76例中11例、12皮弁である。男性7例、女性4例で平均年齢は62.8歳であった。原発部位は口底4例、下顎歯肉4例、舌3例で全例扁平上皮癌症例であった。使用した有茎筋皮弁は、大胸筋皮弁5例、胸鎖乳突筋皮弁4例、広頸筋皮弁2例、広背筋皮弁1例であった。皮弁の合併症としては、表皮のみの部分壊死が4皮弁(33.3%)、筋層まで達する壊死、感染が1例(8.3%)であったが、全例保存処置のみで生着した。, 近年、organ preserved surgeryの概念が提唱され、より侵襲の少ない手術としての再建術が見直されてきている。口腔癌切除後の再建にあたっては症例をよく検討し、もし切除部が広範で皮弁を要する症例では、有茎筋皮弁も十分有用であると考えられた。
2012-12-25

口腔癌切除後に有茎筋皮弁を用いた再建例の検討

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