年金騒動の政治経済学 : 政争の具としての年金論争トピックと真の改善を待つ年金問題点との乖離(<特集>社会保障改革の政治経済学-社会政策学会第115回大会共通論題)
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概要
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2004年夏の参院選来,この国では年金が政争の具となって4年近くが経とうとしている。その間,年金不信年金嫌いは国民にしっかりと根付いたようである。その一方で,年金を政争の具とした民主党は,年金改革の具体像を一向に示そうとせず,自らの年金案が国民の批判にさらされることを避け続けてきた。こうした評価に違和感を持たれる方もいるかもしれないので,この論文では,民主党年金改革案と呼ばれているものが,専門家の視点からみれば現行制度の代替案たり得ないことを論証する。そして彼らの年金戦略が,年金内外の重要な政治案件を締め出し,そのことがこの国の行く末にいかなる影響を与えつつあるかを論じ,「民主党の年金戦略が日本政治の諸悪の根源」であることを説く。その上で,政争とは離れた高い視界から,今この国の年金が抱える重要な問題を解決すべく,いくつかの年金改革案を示しておく。
- 2009-04-25
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