二光子励起イメージング法を用いたラットの遮蔽された物体に対する視覚的認知の研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
部分的に隠された物体を補完して元の物体として認知する視覚能力をアモーダル補完といい,ヒトを含む多くの動物に見られる能力である.本研究の目的はアモーダル補完の神経メカニズムを解明することである.そのために,連続線分と分離線分を区別する視覚弁別課題を頭部固定状態のラットに学習させ,連続線分を一部隠した遮蔽刺激とそれに似た図形であるが遮蔽線分と見なせない刺激に対するラットの応答を調べた.その結果,後者に比べて前者をより連続線分と見なす傾向が強くなり,これによりラットがアモーダル補完の能力をもつことを確認した.さらに,課題遂行中の視覚野における神経活動を二光子励起イメージング法を用いて計測し,同じ刺激提示にもかかわらず,ラットの行動によって応答が変化するニューロンがいることを発見した.
- 2012-03-07
著者
-
加藤 英之
理研BSI
-
吉田 崇将
鹿児島大学大学院理工学研究科
-
加藤 英之
東京大学理学部
-
加藤 英之
理化学研究所bsi脳回路モデル研究チーム
-
吉田 崇将
理化学研究所脳科学総合研究センター
-
小澤 克也
理化学研究所脳科学総合研究センター
関連論文
- 大脳皮質における機能部位間の関係の相互情報量による推定
- 23pTL-7 Fokker-Planck方程式を用いた非線形積分発火ニューロンにおけるsynfire chainの解析(ニューラルネットワーク,領域11,統計力学,物性基礎論,応用数学,力学,流体物理)
- 21aPS-27 抑制入力によるsynfire chainの制御(ポスターセッション,領域11,統計力学,物性基礎論,応用数学,力学,流体物理)
- 抑制入力によるsynfire chainの制御(一般,ベイズ情報処理及び一般)
- 26aPS-38 暗算中の脳波のエントロピー時系列解析(26aPS 領域11ポスターセッション,領域11(統計力学,物性基礎論,応用数学,力学,流体物理))
- 相互情報量による脳波解析の検討
- 大脳皮質における機能部位間の関係の相互情報量による推定
- 27p-PS-123 記憶量と時間の巾乗関係とニューラルネットワーク=シミュレーション
- A FEW APPLICATIONS OF SOLITON STRING CORRESPONDENCE
- 多ニューロン活動データを使って設計する視覚情報処理アルゴリズム
- ミカエリス・メンテン式を用いた多重リン酸化の反応進行曲線解析(学習,生体モデル,神経ダイナミクス,一般)
- 物理学的手法による脳神経系へのアプローチ(第43回物性若手夏の学校(1998年度),講義ノート)
- 弦の熱力学関数の評価について(弦理論の基礎的課題,研究会報告)
- ASCONE実施報告
- 二光子励起イメージング法を用いたラットの遮蔽された物体に対する視覚的認知の研究