全国市区町村にたいする同郷団体調査(1995〜1997年)の結果
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概要
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日本の近代化の中で明治以降,農山漁村や地方小都市から都市への大量の移住が生じ,その多くの移住者は大都市圏や太平洋ベルト地帯の都市,最寄りの地方大都市に移り住んだ。戦前期には,これら都市に移住した人々は,移住した都市における就労や住居の確保,生活面での情報や援助を得るために家族や親族のネットワークを利用するとともに,同郷的な「つて」を頼って,厳しい都市での生活を生き抜いていった。戦後も,農山漁村からの多くの移住者は都市に定住していったが,都市での就業や住居の確保,配偶者の紹介,厳しい都市生活の中での安らぎや親睦,アイデンティティを得るために,同郷であることを契機として様々な同郷団体・同郷会を形成していった。また,正月・お盆の帰省に見られるように,最近までかなりの都市移住者は故郷との関係を何らかのかたちで維持していた。本稿では,筆者が1995年〜1997年に全国の市区町村の役場・役所に対しておこなった全国市区町村調査により析出された1,890の「同郷団体」について公表し,都市-農村関係におけるその歴史的な普遍性を明らかにすることを目的とする。
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