輪紋葉枯病に罹病したミズキ葉上の菌類と病原菌に対する拮抗作用
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概要
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輪紋葉枯病に罹病したミズキ葉上の菌類を,生葉での病斑拡大と脱落・腐朽にともなう変化に注目して調べた。また分離菌株を用いた対峙培養試験により,ミズキ葉より分離される菌類の,輪紋葉枯病の病原菌に対する拮抗作用を調べた。罹病生葉の輪紋部からは病原菌が主に分離された。病斑周縁部からは病原菌とともに,未感染部に存在する内生菌が分離された。罹病生葉の輪紋部,周縁部において,病原菌が検出された葉片では検出されなかった葉片に比べて菌類の分離頻度が低かったことから,病斑の拡大にともなって内生菌が排除されると考えられた。早期落葉直後の脱落葉では,輪紋部から病原菌が,周縁部から病原菌と内生菌が分離された。未感染部では腐生菌の定着にともない内生菌が減少していたことから,脱落直後においても病原菌感染部への菌類定着は制限されていると考えられた。腐朽の進んだ葉から病原菌は分離されず,輪紋部,未感染部のいずれからも腐生菌が分離された。対峙培養試験において,ミズキ葉上から分離した9種18菌株の供試菌は病原菌4菌株に対して置き換わり,接触阻害,接触前阻害を示した。拮抗作用は供試菌の種や菌株と病原菌の菌株との組み合わせにより異なった。
- 応用森林学会の論文
- 2006-03-31
著者
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