窒素条件の異なる林分におけるヤブツバキ落葉の漂白部の化学性と菌類相
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概要
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ヤブツバキ落葉上には特徴的な漂白がしばしば認められる。窒素飽和条件下の林分と対照区の林分において,これら漂白部の化学性と菌類相を調べ,漂白を受けていない非漂白部のそれらと比較した。リグニンとポリフェノールの各濃度は非漂白部で低く,全炭水化物濃度は非漂白部より漂白部で,窒素飽和区より対照区の林分で高かった。落葉の漂白部からはリティズマ科子のう菌類のCoccomyces sp.のアナモルフ,およびクロサイワイタケ科子のう菌類のXylaria sp.のアナモルフやGeniculosporium sp.など10種が,また落葉の非潔白部からはGeniculosporium sp.. Nodulisporium sp.など7種がそれぞれ分離された。窒素飽和区と対照区で,菌類相に違いはみられなかった。これらの結果から,ヤブツバキ落葉の漂白はクロサイワイタケ科や子のう菌によるリグニンとポリフェノールの分解によって生じると考えられた。
- 日本森林学会の論文
- 2003-11-16
著者
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大園 享司
京都大学大学院農学研究科地域環境科学専攻森林生態学分野
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小出 奏
京都大学大学院農学研究科森林生態学研究室
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大園 亨司
京都大学大学院農学研究科地域環境科学専攻森林生態学分野
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小出 奏
京都大学大学院農学研究科森林生態学分野
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