ブナ植栽木におけるツリーシェルターの効果
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概要
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ブナ植栽木にツリーシェルターを設置し,獣類や昆虫による食害防止効果,成長促進効果に加えて,誤伐防止効果について検討した。誤伐被害は,ツリーシェルター未設置区では植栽木の65%に発生したのに対し,設置区では11%の発生に止まり,ツリーシェルター設置による誤伐防止効果が確認された。ノウサギによる食害はシェルター未設置区で植栽木の66%に発生したのに対し,設置区では0%であった。シェルター設置による成長促進効果については,植栽から2年間の樹高成長が促進された。ガ類やカミキリムシ類による穿孔被害はシェルター設置区で多かったが,これは,シェルター設置によって誤伐被害を免れた成育良好な植栽木にガ類やカミキリムシ類が好んで穿孔したためと推察された。ツリーシェルターの設置は植栽時の経費が大きくなるが,樹高成長促進効果及び誤伐防止効果により事業期間が短縮できるため,植栽本数によってはツリーシェルターを設置しない場合よりも経費が軽減できる。
- 2006-03-31
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