砂地中に立て込んだ古畳が植生に及ぼす影響 : 方格工の植生侵入に対する効果の検討
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概要
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中国の砂漠地で砂移動防止策として実行されている草方格工をまねて幅30cmに裁断した古畳を方形に立て込んだ堆砂工を試験的に施工し,施工翌年の植生侵入状況,初冬期までの根系発達状況,夏期の砂温度変動,砂中水分変化,並びに施工5年後の夏期の植生状況,根量分布および砂中の有機物含有量変異の調査結果から,この工法の植生導入工としての有効性を示すいくつかの知見を得た。(1)施工翌年春期の植生状態は対照砂地に比し劣っていたが,夏期にはそれを凌いだ。とくに畳周辺での成立密度が高かった。畳上に約25cmの堆砂を見た施工5年後もこの傾向は明らかである。(2)地下茎・根量も畳辺で多かった。(3)夏期の畳際での日最高地温,日較差は緩和された。(4)砂中10cm深の水分量は降雨翌日から畳際で最も低かった。(5)施工5年後に深度80cmまでの砂の強熱減量,C含有量は,畳が立っていた近くで高かった。
- 応用森林学会の論文
- 1997-03-25
著者
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