育林投資における地位と収益性に関する計量的分析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
育林投資の収益性は,樹種,林齢,地位,育林費,伐出費,素材価格などの諸要素によって決定されると考えられる。育林投資は多時点投入1時点産出になることが多く,この場合は,時間要素が重要な役割を果たす。本報告では,育林投資の収益性に関係する諸要素の中でとくに地位(林地生産力)のもつ経済的影響に着目し,時間要素と関連させて計量的分析を行なった。収益性を計測するための評価基準として内部収益率を採用し,評価モデルを次のように考えた。i-φ(c,l,p,s,y),ただし,i:内部収益率,c:育林費,l:伐出費,p:素材価格,s:地位指数,y:林齢。このモデルに従い,陽関数の形として示した内部収益率を媒介としつつ各変数の代替関係から,育林経営の収益性に及ぼす地位の影響を計量的に分析した。その結果,育林投資の収益性に及ぼす地位の影響が大きく,とくに林齢が低い段階において影響が大きいこと等が解明された。
- 応用森林学会の論文
- 1997-03-25
著者
関連論文
- 地域林業の活性化に対する意識構造に関する研究
- 針葉樹における二変数材積式の理論的誘導
- 相対幹曲線式の新しい推定方法 : システム収穫表への応用
- 森林の機能に対する意識構造に関する計量的分析 : AHPによる事例分析
- 森林公園のアメニティに関する意識構造の事例分析 : AHP法による意識構造の計量的把握
- 林業における就労配分の最適化に関する研究 : PERT手法の適用に関する基礎的検討
- 森林管理における林分保有期間の最適決定に関するシステム論的考察
- 林分成長モデルによる収穫予定の最適化に関する基礎的研究
- 森林資源の将来予測における減反率法の適用と課題
- 減反率法による森林資源の将来予測に関する検討 :鳥取県智頭町における民有人工林の事例について
- 素材価格の形成に及ぼす材質要因の影響に関する計量的分析
- 育林投資の最適化に関するシステム論的研究 : 系列的多段決定モデルの検討
- 林道における光環境の簡単な推定モデル
- 森林経営における林分保有の最適化に関するシステム論的研究
- 不確実性を考慮した森林管理に関する計画論的研究
- 木材流通業における電子商取引の現状分析と課題
- 森林公園のアメニティに対する意識構造に関する分析
- 材質の相違による材価の変動態様に関する数量的検討
- 中国における砂漠化防止と環境教育に関する考察
- 中国における三北防護林プロジェクトと砂漠化防止策に関する考察
- 木材流通における素材価格の形成に関する研究 : 鳥取県3大流域における事例分析
- 中国の農山村地域における農家生活の実態と課題 : 懐柔縣北部山村地域の事例として
- 中国における農山村地域の開発に関する考察 : 農山村福祉を中心にした検討
- 地域林業の活性化に対する意識構造に関する事例分析 : AHPによる意識構造の計量的把握
- 林業における就労配分のシステム化に関する研究 : 確率的PERTによる林業労働の管理と計画
- 森林の公益的機能に対する意識構造に関する分析
- 育林投資における地位と収益性に関する計量的分析
- 材価形成における材質の影響に関する解析の一例(林政)
- 報告1 林業における情報システム化の課題(統一テーマ「情報・参加・分権」,1996年度西日本林業経済研究会報告)
- L・Sディビス、K・N・ジョンソン原著, 野村勇監修・訳, 杉村聡訳, 「森林経営学(上・下)」, マグロヒル出版, 上巻一九九四年五月, 四、五〇〇円, 下巻一九九四年九月, 四、三〇〇円