乱数度計RMTテストの実データへの応用〜ハッシュ値とTick株価〜
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
以前我々が提案した新しい乱数度評価法 RMT テストは,実数・整数を問わず長い時系列の乱数度を判定できる利点を持ち,擬似乱数や物理乱数の乱数度を比較するにも有効であった.しかし,実用的観点からは,もっと乱数度の低い実データに適用できる点にこそ本手法の利点があると考えられる.そのような応用として,本稿ではハッシュ関数の安全性判定と株の安全性判定の 2 例に対しての結果を報告する.いずれも乱数度の高い方の安全性が高いと想定される.まず,セキュリティー分野でよく使われる SHA-1 と,それより古い MD5 との二つのハッシュ関数の出力データの乱数度を RMT テストにより比較すると,確かに SHA-1 の方が乱数度が高く安全性の高いことが確認できた.次に, 2007 年から 2009 年までの TOPIX500 の株価ティックデータの乱数度を測定し,翌 2010 年と 2011 年の収益との関連性を調査し,多くの場合に乱数度の高い株の安全性が高いという結果を得た.
- 2012-11-29
著者
-
田中 美栄子
鳥取大学大学院工学研究科情報エレクトロニクス専攻
-
田中 美栄子
鳥取大学大学院工学研究科
-
楊 欣
鳥取大学大学院工学研究科情報エレクトロニクス専攻
-
楊 欣
鳥取大学大学院工学研究科エレクトロニクス専攻
-
三賀森 悠大
鳥取大学大学院工学研究科情報エレクトロニクス専攻
関連論文
- 評判を考慮した繰り返し囚人のジレンマにおける戦略の進化(経済物理学とその周辺,統計数理研究所研究会共同研究集会,経済物理学2009-ミクロとマクロの架け橋-,京都大学基礎物理学研究所2009年度前期研究会,研究会報告)
- 21aEL-10 ランダム行列との比較による株価相関解析(21aEL 経済物理学(金融市場),領域11(統計力学,物性基礎論,応用数学,力学,流体物理))
- ランダム行列理論との比較によるNYSE株価1時間変動の解析(2)(経済物理学とその周辺,統計数理研究所研究会共同研究集会,経済物理学2009-ミクロとマクロの架け橋-,京都大学基礎物理学研究所2009年度前期研究会,研究会報告)
- ランダム行列との比較によるNYSE株価1時間変動の相関行列解析(経済物理学とその周辺,統計数理研究所研究会共同研究集会,経済物理学2009-ミクロとマクロの架け橋-,京都大学基礎物理学研究所2009年度前期研究会,研究会報告)
- 27aQK-12 評判付き囚人のジレンマ(RPD)における戦略と対戦相手の共進化(経済物理学,領域11,統計力学,物性基礎論,応用数学,力学,流体物理)
- 23aVA-5 評判を考慮した囚人のジレンマと友人ネットワークの発展(23aVA 経済物理学(シミュレーション・金融市場),領域11(統計力学,物性基礎論,応用数学,力学,流体物理))
- F-030 セルオートマトンにおけるウルフラムクラスの自動判別(F分野:人工知能・ゲーム)
- 経済物理学における大容量デジタルデータの収集、保管、操作、および管理について(セッション1:データ管理[一般講演])
- 逆テンキー(MPK)方式による短い人間乱数
- 評判を考慮した繰り返し囚人のジレンマにおける戦略の進化(経済物理学とその周辺,統計数理研究所研究会共同研究集会,経済物理学2009-ミクロとマクロの架け橋-,京都大学基礎物理学研究所2009年度前期研究会,研究会報告)
- ランダム行列の固有値分布との比較による米国株価変動のトレンド抽出
- ランダム行列の固有値分布との比較による米国株価変動のトレンド抽出
- ランダム行列との比較によるNYSE株価1時間変動の相関行列解析(経済物理学とその周辺,統計数理研究所研究会共同研究集会,経済物理学2009-ミクロとマクロの架け橋-,京都大学基礎物理学研究所2009年度前期研究会,研究会報告)
- ランダム行列理論との比較によるNYSE株価1時間変動の解析(2)(経済物理学とその周辺,統計数理研究所研究会共同研究集会,経済物理学2009-ミクロとマクロの架け橋-,京都大学基礎物理学研究所2009年度前期研究会,研究会報告)
- 24pTD-14 ランダム行列固有値分布の統計解析への応用(24pTD 経済物理学,領域11(統計力学,物性基礎論,応用数学,力学,流体物理))
- 進化計算によるtick価格変動のトレンド予測(シンポジウム特集)
- 隠れマルコフ模型等による人間乱数のパターン分類
- 進化的手法による為替TICKデータの予測
- 相関次元推定による金融時系列のランダム性と予測可能性
- 統計分布から見た金融時系列の特性と乱流との類似点について
- 29pRC-9 しっぺ返し戦略(TFT)はどのくらい強いのか(29pRC 経済物理学,領域11(統計力学,物性基礎論,応用数学,力学,流体物理))
- 隣接2文字の生成偏差と相関次元による人間乱数における個人差の解析
- テクニカル指標の動的選択とtick価格予測
- 短い人間乱数による診断可能性と指標の選定(シンポジウム特集)
- テクニカル指標の動的選択とtick価格予測(セッション2)
- F_023 人間乱数を用いた診断の可能性について(F分野:人工知能・ゲーム)
- F_003 高頻度価格時系列の進化計算による予測(F分野:人工知能・ゲーム)
- 23aXE-3 ティック株価の予測について(23aXE 経済物理,領域11(統計力学,物性基礎論,応用数学,力学,流体物理))
- 少数派ゲームと人工市場(経済物理学II-社会・経済への物理学的アプローチ-,京都大学基礎物理学研究所2005年度後期研究会)
- 少数派ゲームと人工市場(経済物理学II-社会・経済への物理学的アプローチ-,京都大学基礎物理学研究所2005年度後期研究会)
- マイノリティゲームにおける資産分布の現実化(エージェント経済学,マルチエージェントの理論と応用)
- 24pYF-8 マルコフモデルによる金融価格予測(経済物理,領域11(統計力学,物性基礎論,応用数学,力学,流体物理))
- F-019 高頻度価格時系列の特徴と予測可能性(F.人工知能)
- ニューラルネットワークを用いた音楽の自動ジャンル分類
- A-010 ランダム行列の固有値分布との比較による米国株価日次変動のトレンド抽出(A分野:モデル・アルゴリズム・プログラミング,一般論文)
- A-009 ランダム行列との比較による株価日中変動の相関行列解析(A分野:モデル・アルゴリズム・プログラミング,一般論文)
- 音声の倍音構造を利用した2マイクによる音源方向推定
- 23pVB-1 逆テンキー(MPK)方式の人間乱数(23pVB 生物・生態系,領域11(統計力学,物性基礎論,応用数学,力学,流体物理))
- 進化型IPDにおける共存社会の形成
- RMT公式を用いた乱数度評価法の提案
- RMT公式を用いた主成分抽出法による日本及び米国株価の年次トレンドの比較
- 27pTD-9 ランダム行列固有値分布との比較による米国株価変動のトレンド抽出(27pTD 経済物理学,領域11(統計力学,物性基礎論,応用数学,力学,流体物理))
- ランダム行列理論を用いた乱数度評価法の提案 (数理モデル化と応用 Vol.5 No.1)
- ランダム行列理論を用いた主成分抽出法による日本と米国の株式市場における主要セクタの変遷 (数理モデル化と応用 Vol.4 No.4)
- 乱数度計RMTテストの実データへの応用〜ハッシュ値とTick株価〜
- 乱数度計RMTテストの実データへの応用〜ハッシュ値とTick株価〜
- ノイズ付き進化型繰返し囚人のジレンマにおける長寿戦略の探究
- RMTテストの性能検証-NIST乱数検定との比較
- RMTテストの性能検証 : NIST乱数検定との比較 (数理モデル化と応用 Vol.6 No.1)
- RJ-006 人間乱数による個人識別の可能性(J分野:ヒューマンコミュニケーション&インタラクション,査読付き論文)