間欠的接続機会を持つ流れるセンサネットワークの試作

概要

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老朽化した下水管の破損箇所の発見には,高いコストや労力が伴う.筆者らは,比較的コストを掛けずに水流環境での温度やガスの観測を目的とした「流れるセンサネットワーク」を提案している.これは,水流環境に小型・軽量のセンサノードを複数流し,水流環境沿いに設置されたアクセスポイント (AP) との通信を介してデータを回収するシステムである.本システムでは,一部のセンサノードに起動状態を維持させて他の間欠起動するセンサノードからのデータの受信と AP への転送を行う.これまでに時刻同期を利用した起動ノードの選択手法が検討されてきたが,低コストで本システムの実装をする場合,時刻精度の低いデバイスの使用も考えられるため,時刻の同期を必要としない起動ノードの選択手法の設計が望まれる.本稿では,ノード間での時刻のずれが流れるセンサネットワークに与える影響と実装時の課題について議論する.また,他ノードからの観測データの起動ノードへの転送時の確認応答に代表ノードの交代要求を相乗りさせることで,時刻同期を利用しないで起動ノードの選択を行う手法の設計を行った.
2012-11-08