VANETにおける車両密度を考慮した少数固定ノード併用型位置依存情報複製配布手法の検討

概要

論文の詳細を見る
端末の移動などにより端末間の通信接続性が保証されないアドホックネットワークにおいて,各端末が他端末の保持するデータに対するアクセス性能を向上させる手法として,生成した情報の複製を他端末に配布する複製配布が有効である.筆者らは,車両間アドホックネットワークにおける位置依存情報の複製配布手法として,交差点に設置した少数の固定ノードと車両により複製配布を行う System for Sharing Objects with Location information on Ad hoc network Fixed node eXtention (SOLA-FX) を提案している.SOLA-FX では,既存のネットワークに接続されていない少数の固定ノードを交差点に設置し,車両が生成した位置依存情報の複製の保持及び配布,要求応答メッセージの転送を行う.本稿では,SOLA-FX における情報へのアクセス性能向上に必要な固定ノード数と効果的な配置場所に関して検討を行い,固定ノードの情報生成地域周辺の交差点への設置の有効性を確かめた.また,固定ノードによる複製配布で,隣接車両数や複製の配布間隔を制限することで,アクセス成功率を大きく低下させることなく大幅に複製配布トラフィックを削減できることを確認した.
2009-10-29