無線アドホックネットワークにおける近隣端末情報を利用した位置依存情報複製配布スケジューリング手法(アドホックネットワーク,<特集>ユビキタス時代を支えるモバイル通信と高度交通システム)

概要

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無線アドホックネットワークでは,端末の移動や無線リンクの状態の変化により,トポロジの変化が頻発し,ある端末が保持するデータに対してアクセスが不可能な状況が起きてしまう.このような問題の解決方法として各端末が持つデータの複製を他の端末に持たせる方法があるが,筆者らはその一方式としてSC(Skip Copy)方式を提案してきた.SC方式では位置依存情報をサーバレスのアドホックネットワークで扱うことを前提として,利用されるデータがGeocastによってアクセスされることを想定し,データ発生時に複製をデータ発生源周辺に疎らに配置する.SC方式は端末密度が比較的高い状態では高いアクセス成功率を示す一方,端末密度が低い状態では複製配置先の不足によりアクセス成功率が向上しないという問題が存在した.その問題を解決するための手法として筆者らはPersistent Skip Copy(PSC)方式を提案する.本論文ではシミュレーションによりPSC方式の評価を行った,評価の結果,PSC方式は端末密度が低く,端末の移動速度が速い場合においてSC方式よりも高いアクセス成功率を示した.
一般社団法人情報処理学会の論文
2006-12-15