看護基礎教育における分娩期の排尿ケアに関する文献検討 : 母性看護学と助産学の教科書の内容分析

概要

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わが国で看護基礎教育向けに発行されている書籍に記述されている分娩期の排尿ケアの内容を分析し,その特徴と課題を明らかにすることを目的とした。母性看護学12冊,助産学5冊の計17冊の教科書および参考書を対象に,分娩期の排尿ケアに関する記述の内容分析を行った。その結果,分娩期の排尿ケアとして【排尿機能の変化】【排尿に伴う問題】【排尿ケア】【導尿】のカテゴリーと12のサブカテゴリーを抽出できた。分娩期の排尿ケアとして,〈排尿困難・排尿障害〉,膀胱充満に伴う〈胎児下降・子宮収縮の障害〉や排尿の〈時間的誘導〉は対象書籍の7割に記述されていたが,ほかはバラツキが大きかった。とくに,【排尿機能の変化】と【導尿】に関する記述に不足がみられた。導尿は慎重な適用を求める一方で,分娩直前にルティーンに行うとの記述もあった。分娩後の尿失禁予防に関する具体的な記述はみられなかった。以上より,看護基礎教育用の書籍における分娩期の排尿ケアの記述にはバラツキや不十分な点があり,教育内容の標準化に加え新しい知見を反映させることが必要である。