産褥早期の女性における冷えの自覚と下肢皮膚表面温度の実態
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概要
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産褥早期の女性の冷えの実態を明らかにすることを目的として,正期産で正常分娩後0〜1日目の女性60名を対象に,調査を実施した。調査内容は,サーモグラフィによる下肢皮膚温測定,フクダ電子計による加速度脈波測定,自律神経機能(R-R間隔変動係数)測定,右耳鼓膜温,冷えの自覚などである。対象者は,年齢30.2±5.0歳(平均値±標準偏差,以下同様),非妊時BMI20.8±3.8であった。産後に冷えの自覚がある褥婦は18名,妊娠前に冷えの自覚があった褥婦は41名であり,産後に冷えを感じている人が少なかった。下肢皮膚表面温度は,足先,三陰交,脛,足の三里の部位を測定したが,左右とも足先が有意に高かった。加速度脈波(APG)測定結果から算出したAPG係数は0.29±0.25, APG波形指数は0.38±0.21, R-R間隔変動係数は5.17±2.23%,鼓膜温は36.0±0.4℃であった。産後,新生児に合わせた暖かい部屋やベッドの上で過ごすことが多いため,四肢末端が暖かい温度を感知し,熱放散のために足先の温度が高くなったと考えられたが,産褥期で,代謝やホルモン動態が変化することも影響しているのではないかと思われた。
著者
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池内 佳子
和歌山県立医科大学保健看護学部
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辻 久美子
和歌山県立医科大学保健看護学部
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角 真理
和歌山県立医科大学保健看護学部
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大東 千晃
りんくう総合医療センター市立泉佐野病院
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梅本 恵麗
国保日高総合病院
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池内 佳子
甲南女子大学看護リハビリテーション学部
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