T-RFLP法によるトウモロコシ根圏および非根圏土壌の細菌群集構造の比較
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概要
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植物根圏における細菌数の増加は,根圏効果として知られている。これまで,根圏土壌細菌と非根圏土壌細菌の比較には,培養による手法が用いられてきた。本研究では,根圏および非根圏土壌の細菌群集構造の比較を,培養法に加え直接抽出DNAによる非培養法にて行った。根圏土壌を調製するため,Rhizoboxを用いてトウモロコシを30日間栽培した。この根圏土壌と非根圏土壌の細菌数を希釈平板法により計数した結果,約6倍の根圏効果が認められた。また,寒天平板で培養した細菌群をT-RFLP解析した結果,根圏と非根圏土壌の細菌群集構造は異なっており,根圏土壌に特有な数種の細菌が認められた。一方,土壌から直接DNAを抽出してT-RFLP解析した場合は,両土壌間に細菌群集構造の差は認められなかった。根圏効果により培養可能な一部の細菌群が増加するが,全体の土壌細菌群集からみれば,その変化は小さいと推察された。
- 日本土壌微生物学会の論文
- 2003-10-01
著者
-
境 雅夫
九州大学大学院生物資源環境科学研究科
-
金澤 晋二郎
九州大・農・土壌微生物学
-
金澤 晋二郎
九州大学大学院生物資源環境科学府
-
境 雅夫
九大 大学院農学研究院
-
境 雅夫
九州大院・農
-
松家 輝
九州大学大学院農学研究院・生物資源環境科学府
-
井上 聖華
九州大学大学院農学研究院植物資源科学部門土壌微生物学研究室
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