リーディングスパンテストの再生成績に影響を与える処理要因 : 日本人英語学習者を対象にした実証研究(言語と学習,場の共創)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では、ワーキングメモリの保持機能に影響を及ぼす処理要因を調べるため、44名の日本人英語学習者を対象に、さまざまな処理側面(統語・意味・語用)に焦点を当てた4種類のリーディングスパンテスト、英語習熟度テスト(文法・読解)を実施し、課題間の成績を比較した。その結果、統語処理に認知負荷を課したリーディングスパンテスト成績が最も低く、英語習熟度との相関が高いことが明らかになった。このことから、日本人英語学習者は、統語処理が自動化しておらず、その処理に限りあるワーキングメモリ容量の大半を消費してしまうため、保持機能に容量を回せないこと、英語習熟度は統語処理の自動性の度合いに左右されることが示唆された。
- 2011-11-19
著者
関連論文
- 未知語の模倣と反復による語彙学習の神経基盤と自動化プロセス(人間の言語処理と学習)
- 熟達度が第二言語文理解における動詞他動性情報の利用に与える影響(言語と学習,場の共創)
- Off-Line and On-Line Study on Processing of Garden Path Sentences by Japanese EFL Learners
- 眼球運動データから日本人英語学習者の文理解プロセスを探る(英語教育の到達目標-その基準を求めて-)
- 日本人英語学習者の文理解プロセスの解明に向けて : ガーデンパス文の処理を中心に(「国際語」としての英語-その教育目標と基準-)
- 日本人英語学習者による英語句動詞習得におけるタスク・バリエーションと処理水準
- 英語アドバンスト科目Contemporary Academic Listening クラスにおけるリスニング・スピーキング並行学習の試み:受講生の授業に対するアンケート結果に基づく分析
- 日本人英語学習者の発話における使用語彙分析と発話潜時 : 海外語学研修参加者の発話データに基づく分析(言語の学習・教育)
- 生起頻度・親密度の観点からみた日本人英語学習者の自発的発話における使用語彙
- 日本人英語学習者の文理解プロセスにおける動詞の下位範疇化情報の利用 : 意味性判断課題を用いた心理言語学実験による検討
- A9. 音声刺激を用いた日本人英語学習者の英単語親密度調査(研究発表,日本音声学会創立80周年記念式典・第20回全国大会発表要旨)
- リーディングスパンテストの再生成績に影響を与える処理要因 : 日本人英語学習者を対象にした実証研究(言語と学習,場の共創)
- リーディングスパシテストの再生成績に影響を与える処理要因 : 日本人英語学習者を対象にした実証研究
- キーワードへのフォーカス、熟達度、ワーキングメモリ容量が日本人英語学習者の文章理解に及ぼす影響 : 視線計測を指標にした心理言語学実験による検討(言語と学習・場の供創・意味の創発)
- 日本人英語学習者の一時的構造曖昧文の理解における有生性・動詞の形態統語情報の利用に熟達度・ワーキングメモリ容量が及ぼす影響 : 眼球運動測定実験による心理言語学的検討(言語と学習・場の供創・意味の創発)
- 日本人英語学習者の言語産出における統語的プライミングにインプットのモダリティおよび接触回数が及ぼす影響(言語における美の表現)
- 日本人英語学習者の文処理時における言語情報への敏感さに熟達度が与える影響 : 事象関連電位測定実験による神経脳科学的検討(人間の言語処理と学習)
- 日本人英語学習者の文産出における統語プライミング効果 : 語彙処理負荷と言語熟達度の違いが及ぼす影響