CSDD(Cornell Scale for Depression in Dementia)日本語改訂版の作成 : アルツハイマー型認知症患者を対象にして
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概要
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本研究では,CSDD 日本語改訂版について,その信頼性,妥当性の検討を行い,心理尺度としての特徴について考察した。アルツハイマー型認知症(Alzheimer's Disease : 以下AD と示す)患者80名(男性21名,女性59名,平均年齢81.7±7.6歳)の看護・介護担当者を対象に,CSDD 日本語暫定版と同時に担当患者の個人属性,ADL,精神・行動的症状を問う質問紙を実施した。その結果,CSDD 日本語改訂版は2因子7項目で構成されており,概ね満足のいく内的整合性(α = 0.73),再検査信頼性(r =0.80)を持つことが分かった。また,CSDD 得点の高群は低群と比べ興奮,脱抑制,易刺激性,食行動異常,妄想,幻覚得点が有意に高く,ADL 得点が有意に低いことが判明した。この結果は,先行研究で確認された抑うつ症状を併発するAD 患者の精神,行動的特性と一致するため,十分な基準関連妥当性を持つと判断した。以上より,本研究で作成されたCSDD 日本語改訂版は,わが国におけるAD 患者の抑うつ評価に適切な尺度であると考えられる。
著者
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