初期のインタビュー場面で生じたインタビュアーの逆転移とインタビュイー理解 性同一性障害と自認する若者とのメールの質的分析を通して
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概要
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本研究では,性同一性障害(Female to Male)と自称する青年(A)とのメールを通じた初期のインタビュー場面で生じたインタビュアーの逆転移とインタビュイーイメージの変遷について検討することを目的とした。インタビュアーは性同一性障害と自認する若者とは初めての関わりであったため,インタビュー開始前から多くの文献を参照し,一般的な性同一性障害当事者達が置かれている境遇とそこにおける彼らの生きにくさに注目して関わった。こうした間接的な逆転移は,その後のA 理解に大きく影響し,インタビュアー側の「焦り」「無力感」「怒り」といった逆転移感情と結びついたA イメージを生成した。さらに,そのことは,インタビュー構造の崩壊とインタビュアーのエナクトメントをも引き起こすことになった。しかし,A のメールを転機に,インタビュアーは自己の逆転移感情に気づき,全体的対象としてのA 理解が可能となった。こうした経緯を,やまだ(2007)の対話的モデル構成法を援用して質的に検討した。
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