学級通信からみる昭和39年版幼稚園教育要領時代の保育の実際 -幼稚園と家庭とのかかわりを視点として-
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概要
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本研究は,昭和39年版幼稚園教育要領時代の幼稚園と家庭との関係,あるいは家庭教育に対する幼稚園の役割に関する保育者の意識・姿勢を明らかにすることを目的とした。昭和39年度の秋田大学附属幼稚園の学級通信の記事の内容から,①幼稚園から家庭への指導,②保護者の保育への参画,③学級内の幼児や保護者との人間関係の三点から分析し,その傾向をとらえた。学級通信を通して保育者は,家庭教育に対する具体的な指導を行っており,一方的な指導,要求という側面も否めない。その一方で,園経営への保護者の積極的な参画,個々の家庭,保護者や幼児の事情を担任はもとより学級でも共有する関係がみられ,担任を含めた保護者・幼児の密な人間関係が基盤として存在していたことがとらえられた。The purpose of this study is to clarify the kindergarten’s activities and awareness of teachers about the relation between kindergarten and parents, based on National Curriculums for Kindergartens on 1964. The reference materials for this study were the documents of the class journals to parents by Attached Kindergarten of Akita Univ. on 1964. The method of study, for grasp the feature of the relations were analysed from three viewpoints, 1) the instruction for parents by kindergarten teachers, 2) parents’ participation for kindergarten administration, 3) human relationship of class children, parents and teacher. In this case teachers gave willing advise and instruction for parents, it can be judgment to one-sidedly. But there were not only teachers activities but parents’ active participations to kindergarten education. These were based on the intimate human relationship of the class children, parents and class teacher. They were sharing the news about class activities and each child through the documents of class journals.
- 2011-05-31
著者
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