209 「レインボー干渉計」による原始星L1551 IRS5の原始惑星系円盤の高空間分解能観測(セッションV)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
現在我々は、野辺山45m電波望遠鏡と野辺山ミリ波干渉計(NMA)を結合した干渉計システム(レインボー干渉計)の整備を進めている。今回は、昨シーズン初めて45m鏡に搭載された150GHz帯受信機を用い、原始星L1551 IRS5周囲の原始惑星系円盤からのダスト連続波放射(周波数135GHz, 147GHz)を観測した結果について報告する。観測は98年2月5日、45m鏡とNMA素子アンテナ(口径10m)5台を組み合わせておこなった。その結果、2.0"×1.0"(1.0"は140AUに相当)の空間分解能を達成し、空間的に分解された原始惑星系円盤起源のダスト連続波放射を検出した。連続波放射は中心星から放出されるジェットとは直交方向に2"(280AU)程度のびた空間分布を示した。これは、一酸化炭素分子輝線の観測によって明らかになった自由落下するガス成分の運動から予測された半径(Momose et al. 1998)とほぼ一致する。ただし、Looney et al. (1997)がBIMA干渉計で行ったより高い解像度での観測結果をもとに主張した40AU程度の間隔をもつ連星系の存在については、今回の観測では確認できなかった。この他、講演では、135GHzと147GHzでのフラックス密度の比較から求められる円盤中のダストに対する吸収係数の周波数依存性についても議論する予定である。
- 日本惑星科学会の論文
- 1998-10-13
著者
関連論文
- 新種ブラックホールの発見とその意義 : 成長するブラックホール
- 大型研究機関におけるパブリックアウトリーチについての考察 : 国立天文台野辺山の一般公開見学者の意識調査から
- 大型ミリ波サブミリ波干渉計(LMSA)計画と国際大型干渉計構想
- ALMA とは何か
- 特集:2020年の宇宙学へ(続き)宇宙暗黒時代に光をあてる巨大電波干渉計--アルマ,SKAで探る遠方宇宙
- B-1-24 220GHz大気放射を利用した差動ラジオメータ法による位相補正実験
- 150GHz帯SIS受信機の開発
- 電波干渉計:現状と将来 (特集 天文学の現状と展望)
- IRAS銀河の観測--銀河の合体,星形成そして銀河の進化 (野辺山ミリ波干渉計による成果)
- 24pTG-5 LMSAよる宇宙論
- 世界の電波天文学将来計画(電波,理論天文学の新展開-大型観測計画とともに,研究会報告)
- 大型ミリ波サブミリ波アレイ計画
- 原始星ガス円盤--最近の研究から
- 双極流天体NGC2071及びGL490
- ALMA(アルマ)この1年
- 世界最大の電波の目で探る宇宙進化の謎 : ALMA計画について
- 電波天文で探る星・惑星系形成(比較惑星系形成論)
- 原始星エンベロープの構造と進化の観測的研究
- S23-02P ASTE10mによるBeta Pic Moving Groupに属する原始惑星系後期円盤天体のCO(3-2)輝線探査観測(一般ポスターセッション2,ポスター発表)
- 154 ^CO(J=1-0)輝線を用いたT Tauの干渉計観測(セッション2)
- 209 「レインボー干渉計」による原始星L1551 IRS5の原始惑星系円盤の高空間分解能観測(セッションV)