トウキ(当帰)の生産並びに品質向上に関する研究(第4報) : 切根処理がトウキの抽苔防止並びに生育,生理,収量及び品質に及ぼす影響

概要

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トウキ(当帰)は抽苔・開花しやすい特徴があり,抽苔したものは品質が低下し,漢方原料として利用できないため,栽培上の支障になっている.しかし,それに関する研究の報告は極めて少なく,抽苔及び不抽苔株間の生理・生態的な差異並びに品質の優劣などに関しては未だ解明されていない点が多い.そこで,苗質,特に苗の大小と抽苔との関係,並びに抽苔株と不抽苔株の生育,生産及び品質における時期的な変異を比較調査した.従来,トウキの抽苔防止策は根頭径が約8〜9mm位の中苗のみを用いる消極的方法,大苗の頂芽を竹べラでくり抜く,いわゆる芽くり法,さらに改良芽くり法などの積極的対策が構じられてきた.しかし,側芽を残して頂芽のみを正確に除去する芽くり法は高度なテクニックと熟練が求められ,労力を要するため大規模栽培に当たっては改善が要求されている.ことに,この方法は栽培農家の永年の経験と勘に頼っている.したがって,栽培の省力化と安定生産を図る上で,抽苔防止策は良質苗の確保の点でこれまで長らく懸案事項であった.一般に大苗は旺盛な生育を示すことから,省力かつ効率的な抽苔防止策さえ開発できれば生産性の大幅な向上が期待される.そこで,著者らは地下部の生育規制個体に抽苔の少ないことをヒソトに,より有効な抽苔防止策として2,3の物理的切根処理手法を考案し,さらに省力並びに機械化を前提とした適用性を考究した.そこで本報では,切根処理によるトウキの抽苔防止並びに生育,生理活性,生産性及び品質に及ぼす影響を検討した.
日本生薬学会の論文
1993-12-20

トウキ(当帰)の生産並びに品質向上に関する研究(第4報) : 切根処理がトウキの抽苔防止並びに生育,生理,収量及び品質に及ぼす影響

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