コガネバナ種子の発芽並びに出芽・苗立ちに及ぼす環境要因について

概要

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コガネバナの栽培に関する研究は極めて少なく,栽培技術は確立されているとは言い難い。本研究は,適切な播種時期決定のために,種子の発芽に及ぼす温度の影響を調査し,さらに,出芽・苗立ちに及ぼすマルチの効果について検討を加えたものである。得られた結果の要約は次の通りである。1.産地の異なる種子の発芽試験の結果,寒冷地で採種された種子の発芽が良好で,発芽が早かった。2.種子の生産環境として,25℃では総莢数に対して稔実莢数が極めて少なく,15℃の冷涼な温度環境下での種子生産効率が高いことが判明した。3.コガネバナ種子の発芽は,光環境によって制御される傾向が高く,暗条件下で発芽歩合および発芽勢が高く,平均発芽日数も短縮された。4.発芽に及ぼす温度の影響から,発芽適温は15〜25℃で,特に最適発芽温度は20℃前後と考えられる。さらに,平均気温が15℃以上となる時期が播種時期決定の指標となることが示唆された。5.マルチは,土壌水分保持を保持し出芽並びに苗立ちに効果的であることが認められた。
東京農業大学の論文
2002-06-20