120GHz帯無線リンクにおける偏波多重方式の研究(マイクロ波フォトニクス技術,一般)
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概要
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NTTでは120GHz無線リンクの研究開発を実施し、既に10Gbit/sのデータ伝送に成功している。しかし、現状の120GHz無線リンクは単方向伝送のみ可能である為、本無線技術を通信用途に適用するためには双方向化技術の開発が不可欠である。双方向化を実現する手段として、我々は偏波分離器(OMT : ortho-mode transducer)を用いた偏波多重技術の適用を検討した。双方向化に伴う伝送特性の劣化を防ぐためにはOMTの2つのポート間に高いアイソレーションが求められるが、それをミリ波領域で実現するのは困難であった。そこで我々は、比較的構造がシンプルで作製し易く、かつ高アイソレーション特性を有するフィンライン型OMTの研究に取り組むこととした。フィンラインの寸法を0.85波長まで短縮し、OMT内部での共振による特性劣化を無線の占有帯域外とする設計により、125GHzにおける交差偏波識別度(XPD) 32dB、垂直偏波用ポート・水平偏波用ポート間アイソレーション52dBの特性を有するOMTの試作に成功した。また、本OMTを用いたモジュールレベルでの偏波多重による双方向10Gbpsおよび単方向2chによる20Gbps空間伝播実験において、エラーフリー伝送に成功した。
- 2011-07-14
著者
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枚田 明彦
NTTマイクロシステムインテグレーション研究所
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久々津 直哉
NTTマイクロシステムインテグレーション研究所
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高橋 宏行
Nttマイクロシステムインテグレーション研究所
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竹内 淳
日本電信電話株式会社NTTマイクロシステムインテグレーション研究所
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高橋 宏行
Nttマイクロシステムインテグレーション研究所 スマートデバイス研究部
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枚田 明彦
日本電信電話株式会社nttマイクロシステムインテグレーション研究所
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枚田 明彦
日本電信電話(株) Nttマイクロシステムインテグレーション研究所
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竹内 淳
NTTマイクロシステムインテグレーション研究所
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久々津 直哉
NTTマイクロインテグレーション研究所
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