フランス「消費者の権利・保護・情報を強化する法律」(1)
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概要
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フランス政府は、経済活動の持続的な発展を確保するためには、世帯消費が堅実であることが必要との認識の下、消費内容の変化に法を適合させることを目指し、「消費者の権利・保護・情報を強化する法律」案を2011 年6 月1 日に国民議会に提出した。同法案はDGCCRF の受け付けた苦情や消費者団体及び事業者への聴取の分析を受けて起草されており、その点で消費者視点に立ったものである。2 章11 ヵ条に25 の措置が盛り込まれた法案は、内容面から3 つに大別される。1 つめに、日常生活に係る各分野につき消費者の権利等を明確化・拡充するもの、2 つめに消費者の情報を強化すること、3 つめにDGCCRF の権限強化などにより消費者の救済を容易にするものである。違う視点からは、消費者保護を持続的に前進させることに加え、共同体法との関係が問題となっていることが指摘できる。なお同法案は、2011 年末にかけて議会による討論、採択が目指されている。本稿では、(1)で法案の内容の紹介、(2)以降で議会での審議内容、法律の内容、評価等を行う。
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