宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の中の異質の挿入部分「プリオシン海岸挿話」について
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概要
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宮沢賢治の有名な物語「銀河鉄道の夜」は、銀河鉄道の旅の部分が幻想的であるが、中で異質で写実的な部分が「プリオシン海岸挿話」で、白鳥の停車場での停車時間中に主人公のジョバンニとカムパネルラが化石の発掘現場を見てくる話である。旅中で唯一の途中下車で、モデルとなった出来事や場所が特定でき、この挿話を含む章には「北の十字架」と「プリオシン海岸」という二つの異なるテーマが収められ、章題も不自然に長くなっており、少年たちの言動が他の部分に比し大人びている、など多くの点で異質である。それらのことから、この挿話は元来は夢の旅の原稿とは別に書かれた独立の短編がのちに「銀河鉄道の夜」の中に挿入された部分であることがわかった。
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