相関関数の2乗和を評価関数とするPre-inverse適応システムによるANCに関する一検討(スマートパーソナルシステム,一般)

概要

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ANCシステムで用いられるFiltered-xアルゴリズムは二次経路の伝達特性のモデル化誤差により,システムが不安定となる問題が生じる.モデル化誤差の解決法として,二次経路モデルをオンラインで同定する外部雑音注入法がある.しかしながら,この手法では二次経路の変動に対して追従することは可能であるが,二次経路の真の伝達関数を得ることは難しく,不安定性の問題が残る.そこで本稿ではANCにPre-inverse型適応システムの導入を図る.このシステムは二次経路の前段と後段に適応フィルタを配置し,後段に置かれた適応システムにより二次経路の逆伝達関数を推定する.推定した特性を二次経路の前段に置かれたフィルタにコピーすることで二次経路の制御を行う.このシステムでは一次経路と二次経路がそれぞれ独立に制御されるためANCシステムは安定となる.しかし,外乱の影響によりバイアス誤差が発生する問題がある.そこで本稿では外乱にロバストな手法として二次経路への入力信号と推定誤差の相関関数の2乗和を評価関数とする適応アルゴリズムを提案する.提案アルゴリズムでは入力信号と外乱の統計的独立性を用いており,バイアス誤差の発生を抑えることが可能である.
2011-06-02