志賀高原のニホンザルII : 横湯川流域におけるオスザルの離群と入群(その2) : 志賀A群をめぐるオスザルの動態
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概要
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志賀高原横湯川流域の、地獄谷野猿公苑に生息する餌付けされているニホンザル、志賀A群をめぐるオスザルの離群と入群を、1963～1973年の資料により分析し、オスの成長と群れとのかかわりを考えた。A群生れのオスは、3才半となる秋ごろから1～10日間ほど自群を離れる短期不在を繰り返し、6才までに離群する。多くの場合、接近した野生群に1司行し、次の接近時にA群に戻る。他群にA群を先に離群した兄や、顔見知りのオトナオスがいると彼らに追随する。A群の5つの母系集団生れのオスを比較すると、下位母系の子は早く離群、中位母系の子が次に早く離群した。上位母系の最初の子は1966年に離群したが、1967年以降は離群せず、オトナオスの順位系列の上位を占めた。群れ外のオトナオスは、交尾期やその直前にA群へ接近し、同行=遊動を共にして、交尾期終了後A群を去り、翌年の交尾期に再び接近することを繰り返した。威圧的接近をやめ、柔順的接近に転ずると、オトナオス順位系列の最下位に位概付けられ、入群した。入群したオスは3～4年で離群している。餌付け当初にいた7頭のオトナオスは、0～5.5年の問にすべて離群した。1位オスも4代続けて離群した。複数のニホンザル群がいる環境では、オスの子どもはすべて出自群を離群して近隣の群れに入群、性成熟し、数年ごとに離群・入群を繰り返しつつ遠い地まで分散していく、という一生を送ると考えられる。
- 2011-09-30
著者
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好廣 眞一
龍谷大学経営学部
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好廣 眞一
京都大学理学部動物学教室
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好廣 眞一
Faculty Of Busibess Administraton Ryukoku University
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YOSHIHIRO Shinichi
Ryukoku University
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常田 英士
元地獄谷野猿公苑苑長
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好廣 眞一
龍谷大学経営学部教授
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