在宅サービスの利用に影響する因子の検討

概要

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在宅の日常生活に支障のある高齢者3,531名について、8種類の保健福祉サービス(ホームヘルプサービス、ショートステイ、デイサービス、デイケア、機能訓練、訪問看護、入浴サービス、配食サービス)の利用の有無とそれに影響を及ぼすと思われる因子との関連をロジスティック回帰分析により検討した。その結果、ほとんどのサービスについて、ADLの低下が利用に影響を与えていたが、その程度はサービスによって異なっていた。また、ホームヘルプサービスと配食サービスの利用については、一人暮らしが非常に大きく影響していた。介護保険の要介護認定では、基本的に心身の状況のみよって判定が行われ、家族構成について考慮されない。しかしながら、実際に提供されているサービスレベルは低く、家族介護が期待できない場合、保険で給付されるサービスのみで在宅生活を送ることは、非常に困難である。したがって、介護保険によって提供されるサービスレベルを、家族介護を必要としない程度に引き上げるか、介護保険を補完するシステムの構築が望まれる。
日本保健福祉学会の論文
2001-10-31