幻覚・妄想の訴えに対する精神科看護師の認知・感情・対処の検討 : 精神科看護における認知行動療法の導入を目指して
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概要
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本研究の目的は,精神科看護における認知行動療法(CBT)導入の基礎資料とするために,質問紙を用いて精神科看護師の患者の幻覚・妄想の訴えに対する認知・感情・対処を明らかにすることである.既存文献から,認知・感情と対処に関する43項目を選定し,予備調査(161名)により精選した33項目の質問紙で,本調査(272名)を実施し,認知・感情と対処の因子構造を明らかにした.その結果,認知・感情では,<心理的脅威><業務負担感の増大><自己対処能力への疑問><対応困難感>の4因子が,対処因子では,<積極的・協働的対処><症状否認的対処><非傾聴的対処><関与拒否的対処>の4因子が抽出された.各因子との相関では,<業務負担感の増大>と<積極的・協働的対処>で負の相関があり,属性との比較では,勤務歴が長く,役職がある看護師ほど,CBTアプローチに近い<積極的・協働的対処>を用いていることが示唆された.
- 2010-06-30
著者
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