インド洋底の大陸性岩石 : 海洋底に分布する大陸性岩石の意義
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概要
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インド洋底に産出した大陸性岩石を記載・分類し,大西洋・インド洋・太平洋に分布する古期・大陸性岩石の意義を整理するとともに,それらと海洋形成論とのかかわりを考察した.インド洋底では34地点から大陸性岩石の産出が報告されていて,タイプA(大陸縁において海洋底深度よりも深所に存在する大陸性岩石:11地点),タイプB(中央海嶺〜海盆部に分布する大陸性地殻岩石:14地点),タイプC(同域に分布し,大陸性リソスフェア物質由来の地球化学的特徴をもつ岩石:9地点)に分類される.大西洋・インド洋・太平洋では,計86地点で古期・大陸性岩石が報告されている.タイプAは大陸の縁辺部が海洋底に転化したことを示し,それは海洋形成論の共通認識になっている.タイプBは中央海嶺〜海盆域に大陸性岩石が散在することを,タイプCは同域に大陸性岩石が少なくとも部分的に伏在していて,加熱・マグマ活動にともなってさまざまな程度に融解したことを,それぞれ示す.タイプB・Cの岩石は,海洋底拡大説にメカニズムの追加を余儀なくさせ,海洋化説や微膨張説には物的証拠となる.地球上の2つの巨大環状構造-Dupal異常帯と環太平洋変動帯-は,マントルの大規模な熱-化学的不均質構造と低流速性を反映する.タイプBおよびCの岩石は,マントルの不均質構造と低流速性という拘束条件とともに,海洋形成過程を解明するための鍵になる.
- 2011-09-25
著者
-
Vasiliev Boris
ロシア科学アカデミー太平洋海洋学研究所
-
矢野 孝雄
鳥取大学地域学部地域環境学科
-
Vasiliev Boris
ロシア科学アカデミー 太平洋海洋学研
-
GAVRILOV Alexander
ロシア科学アカデミー太平洋海洋学研究所
-
宮城 晴耕
東京都立北園高等学校
-
矢野 孝雄
山陰支部 鳥取大学地域学部地域環境学科
-
Choi Dong
Raax Australia Pty Ltd.
-
Vasiliev Boris
Pacific Oceanological Institute, Far East Branch, Russian Academy of Science
-
Gavrilov Alexander
Pacific Oceanological Institute, Far East Branch, Russian Academy of Science
-
足立 久男
東京農業大学
-
Vasiliev Boris
Pacific Oceanological Institute Far East Branch Russian Academy Of Science
-
Gavrilov Alexander
Pacific Oceanological Institute Far East Branch Russian Academy Of Science
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