「農産物ブランド」化の展開と課題- 「有田みかん」ブランドの動向を中心に -
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概要
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地域経済の活性化や地域産業の振興をめざし、全国各地で「地域団体商標制度」の発足を契機に、「地域ブランド」の「創出」「開発」が活発に行われている。とくに地域の特質を出しやすい「農産物ブランド」化の取り組みが数多くなされている。すでに江戸時代からのみかんの銘柄産地と発展してきた和歌山県有田地域では地域団体商標である「有田みかん」ブランドをベースに、農協や各出荷団体が主導した「マルチブランド」が重層的に構築されている。それらのブランドみかんは、高品質と販売戦略によって高価格を実現しているが、一方、東京市場などでは「有田みかん」を中核とする和歌山県産みかんの地位低下がみられ、ブランドの再構築が迫られている。産地・有田の特質は地域の歴史と伝統のなかで多様な集出荷組織が形成されていることにあるが、ブランド再構築においては、その再編・整備が不可避となっているのである。
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