英語現在完了表現の研究 : 言語類型論の視点から
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概要
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本稿の目的は、現在完了表現を習得する過程において、日本人英語学習者の理解を妨げるものは何かということを、言語学の知見に基づいて解明することにある。言語学の研究によって、英語の現在完了とは、時制と様相の相互作用によって生成される表現形式のひとつであるということが明らかにされた。しかし、現在完了表現が担う豊かな意味あいを理解できずにいる日本人学習者の数は、今なお決して少なくはない。なぜなら、彼らは日本語と英語がそれぞれ性質の異なる言語体系であるという事実を十分には認識していないため、母語の感覚だけを拠りどころに、外国語である英語の時制と様相を捉えようとしてしまうためである。言語相対説に基づいて、日本語と英語という二つの異なる言語体系を比較し、日本人学習者がどのように英語の現在完了表現を捉える傾向にあるのかを検証する。また、言語の普遍性に言及し、英語の現在完了表現の意味が学習者の母語である日本語ではどのように表わされるのかということに着目する意義を明らかにする。異なる言語体系を類型化することによって、英語を外国語として学んでいる日本人学習者が現在完了表現の果たす役割(機能)を理解するうえで必要な言語の知識を提供しようと試みる。
- 2011-10-26
著者
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