言語のカテゴリー化 : 認知言語学的視点から
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概要
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本稿は、言語研究の必然的要求として認知言語学が提唱されるようになった経緯を概観した後、その理論の根幹を成す一原理として「カテゴリー化」を紹介するものである。認知言語学は、その名称が示す通り、言語を主たる媒体として行う人間の認知活動に関心を示し、人間の内面的な「曖昧さ」や「心のゆらぎ」を扱うという点において、生物学的・心理学的側面を持つ。また、言語の在り方(本質)という問題に関して言えば、「コミュニケーション機能」と同様、「意味づけの営み」としての側面を重視する。人間は主体的に意味を読み取り、経験を通じてその修正を繰り返しながら新たな意味を創り出していく。その媒体となる言語自体が人間の認知活動によって動機づけられていると仮定すれば、言語は本質的に認知の営みを特徴づける傾向性によって制約を受けていると考えられるからである。認知言語学は比較的新しいアプローチであるため、その一部を紹介するだけでもさまざまな問題が伴う。(例えば、術語の整理や批判への回答)また、認知言語学に至る歴史的背景に哲学的な議論まで持ち出すには、紙面の制約を破らなければならない。そこで、本稿は認知言語学の入門として「カテゴリー化」の問題だけを取り扱うものとする。
- 嘉悦大学の論文
- 2002-12-20
著者
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