方法としての「メタ現場」 : 福祉社会開発における研究と実践の協働空間
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概要
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この試論では, 福祉社会開発研究領域でのアクションリサーチにおいて, 研究者が実践現場に関わりつつその現場を研究対象とするときの方法論を考察する. 高浜市における 「計画空間」, 高知県での 「研究会事業」, 釧路市での 「普遍化事業」 の 3 事例の分析を通じて提起されるのは, 「メタ現場」 の構築である. 対象地域の社会変化をある抽象度をもって写像する 「場」 において, 実践者も研究者もそれぞれ自己を 「異化」 し自己相対化しつつ, その場に 「同化」 すなわち内在的・文脈的・共感的に理解しあえる 1 アクターとなる. 研究者は, このメタ現場に自己の研究枠組みや観察結果を投げかけ, それへの反応から枠組みを変更し, 観察を修正する. 実践者は日常的な生活の現実を振り返り, 俯瞰的に観察し, 現場に洞察を還元できる. 意識的に現場からの一定の距離をもって仮構されているという双方の理解の下に, 実践者と研究者との協働の場となる空間が, メタ現場である.
- 2011-09-30
著者
-
平野 隆之
日本福祉大学社会福祉学部
-
穂坂 光彦
日本福祉大学
-
穂坂 光彦
日本福祉大学福祉経営学部(通信教育)
-
朴 兪美
日本福祉大学地域ケア研究推進センター
-
朴 兪美
日本福祉大学アジア福祉社会開発研究センター
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