創造性をはぐくむ教育実践の条件について
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概要
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近年の学校教育においては,創造性をいかにはぐくむかということが課題とされている.しかし,そのことばのひろがりに反し,創造性の涵養を可能にする教育実践の具体的な方法や原理はいぜん構築されていないのが現状である.本稿では,筆者の実践経験をもとに,その問題にこたえることを目的としている.創造とは,未知のものを自力でうみだすこととかんがえられるが,そうした創造の性質を前提に,教育実践で必要な条件として以下の点をしめした.創造の手段となる探究に必要な基礎的知識が学生にある程度あること,探究の課題を学生自身が設定し,他者の意図や予期が混入しないこと,探究には,学生自身が獲得した完全にオリジナルな要素がふくまれていること,教員はあくまで助言するにとどめ,自制すること,である.とくに重要なのは教員がみとおしをもてないことの不安に耐えることである.また,創造性の志向は,カリキュラムやシラバス主義,成績評価制度と相反するものであり,そうした制度的側面の再検討も不可欠といえる.
- 2011-07-31
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