「学習の動機づけ」からみたカンニング
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概要
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学校においては,テストにおけるカンニング行為はきびしいペナルティの対象とされている.しかし,カンニングはたえない.本稿はその背景を学生の学習に対する動機づけの構造から検討している.現行の学校制度・教育システムのありかたは,学生が学習にむかうさいにもつ心理的な目標を学位・単位とへとむけさせており,学生は学習過程や学習成果そのものを学習の目的として設定できにくくなっている.そのため,学習はそれ自体が目的とされず,つよく外発的に動機づけられている.外発的な動機づけのもとでは,目的に至る過程上にあるものは障害として認識され,回避の方策がとられる.それがカンニングである.したがって,カンニングをなくすためには,教育システムが学習の内発的動機づけを毀損しない体制を再構築する必要があるといえる.教育実践のありかた,とくに学習に対する評価の方法の再考がその中心的な課題である.
- 2010-08-30
著者
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